老後のお金事情(その2 収入)
2024/10/03
老後のお金事情(その2 収入)
老後のお金について、3回に分けて解説します。
2回目は老後の収入についてみていきましょう。
収入
老後の主たる収入源は年金収入です。
それでは、年金は一体どのくらいもらえるのでしょうか。
現役時代の職業や年収によって大きな差がありますが、
平均値としては、高齢無職世帯(二人以上の世帯)の
平均は約20万円です(総務省統計局「家計調査」2024年)。
65歳女性の平均余命25年で試算すると、
20万円×12ヶ月×25年=6,000万円となり、
老後資金のうち約6千万円が年金で賄える計算になります。
なお、自営業者等で国民年金のみの場合は、国民年金を
満額受給する場合で年額約81万6千円(令和6年度)です。
いつから
次に、年金は何歳からもらえるでしょうか。
老齢基礎年金(国民年金)は原則として65歳からです。
老齢厚生年金(報酬比例部分)の場合は性別と
生年月日によって異なり、男性で昭和28年4月1日、
女性で昭和33年4月1日以前に生まれた人は
60歳から年金がもらえます。その後、生年月日に
よって受給開始年齢は少しずつ上がっていき、
男性で昭和36年4月2日、女性で昭和41年4月2日
以降に生まれた人は老齢厚生年金がもらえるの
は65歳になってからです。
定年退職後に再雇用やアルバイトで仕事を
するケースもあるでしょう。この場合は給料と
老齢厚生年金の合計額が一定額を超えると年金が
減額されてしまうので、注意が必要です。なお、
年金が減額されるのは厚生年金に加入して給料を
もらう場合であり、短時間のパート・アルバイト
として厚生年金に加入しないで働く場合や
個人事業として収入を得る場合は年金減額の
対象ではありません。
その他
他に、老後生活の主な収入源として退職金が
あります。退職金は平均してどのくらい
もらっているのでしょうか。東京都内の従業員数
10~299人の中小企業で、学校を卒業して
すぐに入社した者が普通の能力と成績で勤務した場合、
勤続20年で平均350~570万程、定年までの
勤務で平均1140万~1550万程です
(東京都産業労働局「中小企業の賃金・退職金事情」(令和6年度版))。
退職金で住宅ローンの繰上返済をする
ケースもあります。その場合、退職金の額と
住宅ローンの残債次第では、退職金を
全額繰上返済に充当しても、退職後もまだ
住宅ローンが残ってしまうというケースもあるでしょう。
特に元利均等返済の場合は最初の頃は
利息の占める比率が大きいため、予想よりも
借入残高が減っていなかったということにも
なりかねません。退職金で住宅ローンを
繰上返済しようと考えている人は、退職時点で
住宅ローンがどのくらい残っているのか
シミュレーションしておいた方がよいでしょう。
まとめ
まとめると、老後の収入の平均的なデータとしては、
年金と退職金で約7千万円くらいの収入になる試算です。
前回の費用の試算で、1億~1億1千万円を老後の
費用として試算しました。費用から収入を差し引くと、
平均して約4千万円くらいは退職時までに自分で
貯蓄する必要があります。次回は老後資金の貯蓄に
ついてみていきます。
木元広之
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