老後のお金事情(その1 支出)
2024/09/18
老後のお金事情(その1 支出)
老後のお金について、3回に分けて解説します。
1回目は老後に支出するお金です。
会社を退職してから亡くなるまで、一体
どのくらいのお金がかかるのでしょうか。
各種の統計データでみていきましょう。
生活費
まず生活費ですが、65歳以上で二人以上の
無職世帯、日常的な生活費の消費支出の平均が
約26万8千円、他に税金や社会保険料等の
支出が約3万1千円で合計約29万9千円が
1ヶ月の平均支出です。
(総務省統計局「家計調査」2022年)
この金額が何年分必要でしょうか。
妻が夫よりも長生きすると考えて、65歳女性の
平均余命年数25年で計算してみます。
29万9千円×12ヶ月×25年=8,970万円
約9千万円が老後の生活費として必要となります。
老後の資金として必要なのは生活費だけ
ではありません。住居のメンテナンスや介護費用、
子供の結婚など、生活費以外の特別支出も発生します。
このような支出はどのくらい掛かるでしょうか。
まず、住宅のメンテナンスについては、
間取りの変更や内装の模様替えが平均約170万円。
給排水設備の改善が平均170万~200万円ほど掛かります。
(国土交通省「増改築・改装等実態調査結果」)
介護費用
次に介護費用はどうでしょうか。
(公財)生命保険文化センター
「令和6年度生命保険に関する全国実態調査」
によると、公的介護保険の範囲外の費用
(住宅の改造や介護用品の購入などの
初期費用、月々かかる費用など)で
下記のような費用が掛かります。
初期費用として平均74万円、月々掛かる
費用として1ヶ月平均8万3千円掛かります。
介護に要した期間が平均4年11ヶ月。
これらを総合すると、介護保険の範囲外の合計費用
としては平均563万円ほど掛かる計算になります。
また、子供の教育費の支払いが終わった後も、
結婚資金を援助するケースも多いでしょう。
とある調査によると、結婚費用(結納、挙式、
披露宴・披露パーティ、二次会、新婚旅行)
に対して親・親族からの援助の有無に関して、
77%の人が援助があったと回答しています。
そして、援助の金額としては平均194万円を
親・親族から援助してもらっています。
その他、新生活のための準備費用
(家具、家電購入費用等)を援助するケースもあります。
その他、旅行などの老後の趣味に要する
費用もあります。ペットがいる場合には
ペットの飼育費用も掛かるでしょう。
そして最後に、葬儀費用も残しておく必要があります。
これらを総合すると、老後の生活費として
約9千万円、特別支出として1千~2千万円、
合計で1億円~1億1千万円が老後の費用として
必要となる計算になります。結構な金額になりますね。
これら老後の費用を年金等でどのくらい
補填できるのか、次回以降みていきます。
FP Avenue所属
ファイナンシャル・プランナー
木元広之
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