医療介護の改正からライフプランを考える (1)
2026/09/10
医療介護の改正からライフプランを考える (1)
改正の影響と対策の考え方
1 改正の全体像
2026年5月29日に医療保険制度改正法が成立し、将来世代も見据えた制度の見直しが進んでいます。今後は「保険で広くカバーする範囲」と「自助で備える範囲」の整理が進む流れです。
2026年8月時点で押さえるべき柱は、次の4つです。
項 目 主な動き 家計への意味
医療保険改革 2026年5月に成立 自己負担見直しに注意
診療報酬改定 2026年度改定が進行 通院先の対応変化
介護報酬改定 2026年度改定が実施 介護費用に波及
医療介護DX 情報連携を推進 手続き負担の変化
2 ライフプランへの影響がある3つのポイント
(1) 医療費の影響
保険給付の対象や自己負担の考え方が見直される流れでは、軽い不調の受診や薬代は家計負担がじわじわ増えやすいです。特に高齢期は、入院の一発よりも通院の積み重ねが家計を圧迫しやすいです。
(2) 介護費の影響
2026年度の介護報酬改定は既に実施されており、処遇改善や運営体制の見直しが進んでいます。制度上の報酬見直しは、利用者負担そのものだけでなく、事業所の人員体制やサービス提供の安定性にも影響します。つまり、将来は「使える制度がある」だけでなく、近くで使える事業所があるかも重要になります。
(3) 手続き面の影響
医療DXや介護情報基盤の整備が進んでおり、医療と介護の情報連携は強化される方向です。これは利便性向上につながる一方、家族としてはマイナンバー対応、同意手続き、情報確認への理解が必要になります。
今回の改正は一気に家計を壊す改正というより、毎月の固定的な医療介護支出をじわじわ押し上げる改正です。
特に影響が大きいのは次のタイプです。
・通院回数が多い人
・市販薬で代替しやすい薬を使う人
・ひとり暮らしや老老介護の世帯
・将来の介護サービス確保が不安な人
3 対策の考え方
(1) 家計対策
まずは生活費とは別に医療介護予備費を分けることです。目安としては、日常予備資金と混ぜずに、使途を医療介護に限定した資金枠を持つと管理しやすいです。
(2) 制度対策
次に、公的保障でどこまで賄えるかを先に確認します。高額療養費、介護保険の自己負担割合、要介護認定後の流れを先に見える化しておくと、不要な不安を減らせます。制度を知らないこと自体が家計リスクになります。
制度改正は、家計の準備がある人とない人の差を広げやすいです。だから今やることは、制度を知ることと、使うお金を分けておくことです。
ファイナンシャル・プランナー 濱口徳広
★ 9月20日(日)の岩槻セミナーで、「高齢期の医療・介護費用と制度」について
お話します。
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