一般社団法人埼玉生活支援協会

人生100年時代のライフプラン講座・第12回(最終回)

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人生100年時代のライフプラン講座・第12回(最終回)

人生100年時代のライフプラン講座・第12回(最終回)

2025/09/21

人生100年時代シリーズ(ライフプラン講座)

 

「人生100年、最終章の現実から考えるライフプランの重要性」

 

 

医療技術の進歩により、終末期(人生の最終段階)をどのように過ごすかについて、条件が整えば本人や家族がある程度選択できる時代です。
病院で亡くなる人の割合は2000年の81.0%をピークに、2023年には65.7%まで低下し、自宅や施設での看取りが増加しています。

厚労省は、希望の医療やケアを家族や医療・ケアチームと共有する「人生会議」を積極的に推進しています。
終末期医療に象徴される「人生の最終章」を考えることは、そこに至る「生き方」を考えることでもあります。

人生観や価値観に沿った「自分らしい生き方」とは何か?この問いに向き合うために、高齢期こそライフプランが重要なのです。

 

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「終活」という言葉が広く知られている今、多くの人が自分の人生の終わりを意識し、自ら準備をしなくてはと考えるようになりました。エンディングノートへの記入、身の回りの片付け、墓じまい、自分の葬儀やお墓の契約など、何らかの準備を始めているというシニアの方は多いと思います。

「ライフプラン」というと、若い人が結婚,子育て、住宅購入、定年退職といったライフイベントに沿って、資金計画を立てるというイメージが強いですが、最も重要なのはリタイア後のライフプランです。なぜなら、リタイア後は自由な時間が増え、どのように過ごすかは自分次第となる一方、収入は年金などに限られ、増やすことは容易ではないからです。時間ができたら取り組みたいと思っていたことは色々あるでしょう。無理なく計画していきたいものです。

支出の面では、医療費などの予定しづらくやむを得ない出費も増えてきます。心身が衰えれば、持ち家であっても住みづらくなり、転居や施設への入居を考えるようになるかもしれません。リタイア後の人生には、考えておくべき要素が非常に多いのです。

また、最期まで自分のことを自分でできるわけではありません。身の周りのことも、お金の管理も必ず誰かの手を借りることになるでしょう。今持っている資産と確実に入ってくる年金収入とを上手に活用して人生を豊かに生き抜いていくためにはライフプランと資金計画が必要であり、その立案と実行を手助けしてくれる家族や専門家の存在が必須です。

 ファイナンシャル・プランナーは、相談者のライフプランや希望をよく理解している人生の伴走者として、自らの知識と関連する専門家のネットワークを活かして、その実現を支援します。人生の様々な問題に関する相談相手として、ぜひファイナンシャル・プランナーを活用してください。

 

 私はファイナンシャル・プランナーであると同時に、長く医療の現場にも身を置いてきました。病院では患者さんの回復を願って全力で治療に取り組みますが、とりわけ高齢の方の場合、それが本当に最善なのか迷うことも少なくありません。

 今の病院の役割は「治して退院させること」にあります。そのため、退院のめどを立てるために、患者さんの希望に沿わない検査や治療を行わざるを得ない場面もあります。入院が長引けば病院の収入は減少し、高額な医療機器の導入や維持にも費用がかかるため、経営的には赤字にならないよう必死に対応せざるを得ないのです。もちろん、職員一同は患者さんに寄り添いたいと願っていますが、少子高齢化による患者数の増加や、物価上昇に追いつかない医療従事者の賃金など、厳しい現実も横たわっています。

 こうした医療現場の背景を踏まえながら、今回はライフプランの締めくくりとして「人生の最終章をどう過ごすか」について、私自身の考えをお伝えしたいと思います。

 

 

1.価値観に沿って希望を言葉にし、支援者と共有する

 

本人の価値観と希望を中心に据え、家族の納得と負担軽減を両立させる――それが“納得できる人生の最終章”の基本です。最期は家族や医療スタッフなど周りの人たちに身をゆだねることになります。自分の考えを家族や周りの支援者に伝え、お互いに納得できるようによく話し合っておきましょう。

まず「何がいちばん大切か」を言葉にします。心臓マッサージを含む延命を望むか、意識の保持を優先するか、終末期を過ごす場所(自宅/施設/病院)や立ち会いの有無(タイミングによっては希望に添えないこともありますが、宗教的配慮など。どこまでの治療を望むか?痛みを軽減し出来るだけ自然に任せるか?

本人の希望について、家族や信頼できる人、かかりつけ医などの医療スタッフと繰り返し話し合い共有します(ACP=アドバンス・ケア・プランニング、厚生労働省では“人生会議”の愛称で啓蒙活動中)。家族や支援者は、この価値観を前提に動きます。この希望を共有できないと、多くの場合、救急車で病院へ行くことになります。場合によってはその後、大がかりな緊急手術などに及ぶこともありますが状態によっては望むような結果にならない場合もあります。

本人の意思を文書化し、代理意思決定者を明確にしておくこともできます。その文書の内容によっては、緊急時においては、すぐ人の目に留まるようにしておくことも重要です。

 

2.治療の限界と入院のデメリットを認識する

 

治療をすれば必ず若い頃のように劇的に回復するわけではありません。回復は本人に残された「身体的予備力」に依存します。

高齢・合併症の多い場合、回復の余地は乏しく、入院や長期の安静で筋力・気力が低下することがあるため、入院が逆に生活の質(QOL)を低下させる場合もあります。場合によっては、面会が制限されることもあります。また、自分の希望よりも、病院からの指示を優先せざるを得ない事情もあります。

したがって「できる治療」と「意味のある結果」を分けて考え、本人が望まない検査や延命的処置を回避するための準備が必要で、家族や親類に伝えて納得してもらうことが重要す。

 

3.本人の意思と家族の同意に基づいたサポート体制を構築する

 

家族は本人の意思を受けとめ、代理決定や日常サポートを担います。事前の話し合いがないと本人の意思がわからないため、家族の間で意見が対立し、精神的・経済的負担が大きくなってしまうことがよくあります。

自宅で看取りを希望る場合、家族の負担を最小化するための工夫が大切です。ケアマネージャーさんを中心によく話し合って、公的保険を利用した訪問看護や訪問介護を組み込んだプランを作成し、ショートステイ、夜間対応サービスなども必要なときに躊躇なく使える仕組みを作りましょう。また、看取り期における状態の変化についても、ご家族は、医療者から良く説明を聞いておくことも心の準備や対応のためにも重要です。

「家族もいなくてもよい」「臨終に立ち会わなくてもよい」といった本人の希望も尊重されるべきで、家族の意向と調整しておくことが双方の安心につながります。

 

 

4.公的医療保険・介護保険など社会的資源を活用する

 

在宅医療(往診・訪問診療、訪問看護)、訪問介護、福祉用具レンタル、家の介護のための工事、ショートステイ、緩和ケアなどの連携は、在宅での穏やかな看取りを支える基本要素です。(入院中に)家族とよく話し合って無理のないプランを立てておきましょう。そのためにも、要介護認定などは、必要に応じて早めに申請し取得しておきましょう。

公的制度(介護保険・医療保険)の適用範囲と手続きを把握し、自己負担や給付の仕組みを整理しておきます。高額療養費、高額介護サービス費について、自分の負担限度額を把握しておくと安心です。

頼れる家族がいない場合、地域包括支援センターや民生委員、NPO、ボランティアなど地域資源も活用して「社会で支える」体制を整えます。

 

 

5.FPの関わり方について

 

 FPは“人生の伴走者”として、相談者の人生の最期、そして相続までプランニングとその実行を提案します。ただ、相談者がお元気なうちから、ご家族も含めて信頼関係を確立できていないと、ご本人の意思に沿ってプランの実行をお手伝いしていくことができません。せっかくご本人と二人三脚で作りあげたファイナンシャルプランや相続プランが実行されずに終わってしまうのは、非常に残念なことです。

 人生の最終章や相続のプランニングにあたっては、ぜひご家族もご一緒にFP相談にお越しください。FPは世代を超えて、ご家族全体の未来をプランニングします。FPが支援チームに加わることで、ご本人にサポートが必要になったときや相続発生時に、ご家族の負担を軽減するようお手伝いできると思います。あくまでも資金的な対応の援助ですが。

 

 

終わりに~最期の準備は「人生の総仕上げ」

 

最期をどう迎えるかは、あなたが生きてきた人生の総仕上げです。しかし、自分の力だけでは希望を実現することはできません。本人の価値観を中心に、ご家族の納得と負担軽減を図りながら、穏やかに最期の時間を過ごすことができたら理想的ではないかと私は考えています。

ただ、終末期や亡くなった後のことをあらかじめ家族で話し合っておきたいと思っても、なかなか言い出しにくいものです。エンディングノートには相続の時に役立つ個人資産の情報や医療についての希望を記す欄があります。エンディングノートに記入したら、それを材料に、あなたの考えを家族と共有する時間を作ってみてはいかがですか。

人生の最終章を具体的に想定することは、そこに至るまでの生き方を考え、毎日を大切に生きることにつながります。日々の生活の裏付けとなる資金計画を立て、自分の資金で賄えるように準備しておくことが大切です。資金計画や資産管理のサポートが必要なときは、ぜひFPサロンさいたま新都心のファイナンシャル・プランナーにご相談ください。

 

 

 <執筆者> 松岡佳也(まつおか・よしや)

ファイナンシャル・プランナー

約20年前、銀行で投資信託を購入して投資デビュー。

以来、資産の上下で一喜一憂も継続中。

若者の人生に寄り添いたいと日々奮闘している。

 

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