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不確実な未来を守るための戦略とファイナンシャル・プランニング④ 第3章

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不確実な未来を守るための戦略とファイナンシャル・プランニング④ 第3章

不確実な未来を守るための戦略とファイナンシャル・プランニング④ 第3章

2025/05/04

新たな挑戦、新たな機会「変動する時代に備える」

不確実な未来を守るための戦略とファイナンシャル・プランニング④

 

第3章:日本はなぜ脆弱なのか─個人の国家依存の限界と課題

 

第2章までは、アメリカの衰退とともに、中国、ロシア、アフリカなどの非西洋圏諸国が“台頭”し、世界経済の力学が大きく変わりつつある現実を見てきました。少しご紹介しましょう。

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FirstFT Asia(2025年4月30日のファイナンシャルタイムズ紙からの抜粋)
執筆:ベンジャミン・ウィルヘルム(FTニュースレター編集者)

 ●中国の国際プロパガンダ攻勢

中国はアメリカとの貿易戦争に対抗するため、SNS上でプロパガンダ動画を展開している。最新作「Never Kneel Down(決してひざまずくな)」では、他国に対し「アメリカと取引してはならない」と警告し、トランプ大統領が関税を用いて中国の孤立を狙っているとの懸念を示している。

この動画では、混乱するウォール街や抗議するアメリカ国民の映像と対比して、明るく未来的な中国の姿が描かれ、「アメリカは座礁した小舟にすぎない」と述べられている。 

 

●「魅力攻勢」の一環としての外交展開

習近平主席は今月、ベトナム、マレーシア、カンボジアを訪問し、欧州・中南米との関係強化も視野に入れた「貿易戦争の魅力攻勢(Charm Offensive)」を展開。中国は、トランプによる反中経済圏の形成を阻止するため、世界の主要都市で支持を固めようとしている。

 

●その他の関連ニュース:

・米国の貿易赤字が記録的水準に達し、2025年第1四半期のGDPが縮小したと予測されている

・中国の自動車メーカーは、EUの関税障壁により欧州進出の短期計画を見直し中

 

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この新たな国際秩序の形成において、日本はどのような役割を果たすべきか?そして、これらの変化が日本経済に与える影響とは何か。日本が直面するこれからの課題と、これらの国際的変化にどのように対応していくべきなのでしょうか。世界が多極化と断片化の時代に突入する中、日本は残念ながら最も脆弱な立場に置かれています。

その第一の要因は、経済規模の相対的縮小です。2024年末のIMF統計によれば、日本の名目GDPは約4.2兆ドル。一時は世界第2位だった経済規模は、今や米国(約28兆ドル)、中国(約18兆ドル)に大きく水をあけられ、2025年にはインド(約4.1兆ドル)が日本に肉薄し、

逆転も時間の問題とされています。「経済大国日本」という時代は静かに終わりを迎えているのです。

 

第二の要因は、急速な人口減少と高齢化。総務省推計によれば、2025年時点の日本の総人口は約1億2,300万人。このうち65歳以上の高齢者は約29%、15歳未満の子どもは僅か12%で、労働力人口の減少は避けられず、年金・医療・介護といった社会保障負担は重くなる一方です。

財政構造もまた危機的であり第三の要因となります。2025年度の国の予算案では、歳出総額約115兆円に対して税収は約69兆円。不足分は国債(借金)で賄われ、政府債務残高はGDP比260%超。先進国最悪の水準です。

 

こうした脆弱な国家基盤のなかで、もしグローバル市場が動揺すれば、上記の日本の弱体化や金利の低さ等により、日本円の信認が揺らぎ、円安・インフレという二重苦が個人生活を直撃することが現実味を帯びてきます。「安全資産(有事の円)」とされた円も、絶対的な価値を保証するものではなくなってくると思います。

 

さらに日本には、もう一つ深刻な問題があります。それは、米国傘下に留まり続けることのリスクです。日本は戦後体制の中で、安全保障も通貨政策も実質的に米国に大きく依存してきました。冷戦構造が崩れ、米国の世界的地位が揺らぎ始めた今、一国の命運を米国の動向に依存し続けることは大きなリスクだと誰もが思うのではないでしょうか。

 

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【ご参考:Nikkei Asia(4/30)】

「東京発―米国との関税交渉における日本の代表は、水曜日にワシントンを訪れ、次回協議に臨む。日本はドナルド・トランプ大統領の懸念に配慮しつつ、具体的な進展を見込んでいる。

これまでの交渉材料としては、米国産トウモロコシ、大豆、エネルギーの輸入拡大や、一部輸入車に関する規制緩和などが考えられる。しかし、米国側がどの程度まで関税軽減に応じるかは依然として不透明

(結果)

「ワシントン/東京 ― 米国は木曜日、ワシントンで行われた日本との二国間関税交渉において、合意の枠組みを提示した。しかし、提案は主にトランプ政権の「相互」関税に焦点を当てており、米国が自動車、鉄鋼、アルミニウムへの関税削減に消極的であることを示唆

 

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トランプ再登場に象徴されるように、アメリカは今後ますます「自国第一」を鮮明にし、そのとき、真に日本の国益を守るには、国家として自主的な意思と戦略を持つことが不可欠となります。トッドの分析に基づけば、今後の日本は「米国の陰に隠れる」のではなく、独立した経済的・政治的な立場を取るべき時が来ているということです。それは、経済的な自主性を確保し、社会的・文化的な基盤を強化することを意味します。

 

経済、人口、財政、安全保障──
すべての面で構造的脆弱性を抱える日本において、「国が無条件に国民を守る時代はすでに過去のものとなっている。この時代、もはや国家にすべてを委ねることはできない。」私たち一人ひとりが、変化の波の中でどのように進むべきかを選ぶ時が来たのではないでしょうか。

 

世界は急激に変わり、私たちを取り巻く環境も大きく変動しています。そんな中大切なのは、時代の流れをしっかりと見極め、自らの足でしっかりと歩むことだと思います。他者や社会に頼りきっていては、未来は切り開けない。自分自身の力を信じ、一歩一歩踏み出すことこそが、新たな未来を築く鍵となるのではないでしょうか。新しい時代に即したファイナンシャル・プランニングの実践が今こそ求められています。年齢、性別を問わず、すべての国民に課された使命だと考えたいものです。

執筆者:井上 昇(ファイナンシャル・プランナー)

 

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