損害保険とは(前編)
2024/07/18
損害保険とは(前編)
大手中古車販売会社と損害保険会社に関するニュースが
マスコミを賑わしていたのが記憶に残っています。
そこで今回と次回は、損害保険についてお話しします。
損害保険
まずは保険の歴史についてです。
保険の起源は諸説ありますが、人類が共同生活を
始めたころから保険に似た「相互救済」という
考え方はあったようです。記録に残っているものとしては、
紀元前2250年頃のバビロン王ハムラビの
時代に隊商(キャラバン)の間に保険と
似たような取り決めがあったようです。
その内容は、「盗賊による損害を受けた隊商が
あった場合には、その損害を隊商全体で負担する」
というものです。加入者全体で被害者を救済する
という現在の保険の考え方に近いですね。
その後、古代ギリシャにおいて、
航海で嵐や海賊などに出くわした際に積荷を
海に捨てて逃げるということがよくありました。
その際に「荷主と船主で損害を分担し負担する」
という習慣が生まれました。そして、航海が
成功した時には金融業者に手数料を支払い、
航海が失敗したときには金融業者が積荷の代金を
支払うという仕組みが生み出されました。
これが損害保険の始まりと言われます。
やがて1666年、ロンドン大火を契機に
火災保険が登場しました。パン屋のかまどから
出火した火は4日間にわたって燃え続け、ロンドン全体の
85%の家屋が焼失する大火だったそうです。
火災発生率や現在の建物数から保険料を設定するなど、
損害保険の原型はこのときに形作られました。
日本での損害保険の始まりは、奈良・平安朝時代の
「義倉」(凶作の年に農作物を窮民に与える制度)や
室町時代以降に始まった
「無尽」(災害時にお互いに救済しあう制度)と
言われます。江戸時代には朱印船の航海の際に
「なげ金」(金融業者が金を貸し、航海が無事に
終われば利子を付けて元金を返し、船が難破した場合には
何も支払わなくてよい制度)という保険に似た
制度が始まりました。
そして1869年に神奈川県の税関が日本人による
初の保険を実施し、この頃から多くの損害保険会社が
誕生し、現在に至ります。
損害保険会社の名前には「海上」という言葉が
付く会社が多いですが、損害保険の歴史を知ると
「海上」という言葉が付くのも納得できますね。
FP Avenue所属
ファイナンシャル・プランナー
木元広之
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